「製造業って、結局どんな仕事をするの?」
「工場勤務と製造業の違いがよくわからない」
「未経験でも自分に合う仕事を選べるのか不安」
製造業と聞くと、工場で同じ作業をくり返す仕事をイメージする方も多いのではないでしょうか。
ただ、実際には製造スタッフだけでなく、機械オペレーターや設備保全、検査、品質管理、生産管理など、さまざまな職種があります。
業種や工程によって仕事内容も働き方も変わるため、最初は具体的にイメージしにくいですよね。
ただ、製造業の仕事の流れや職種ごとの特徴を知っておけば、自分に合う仕事を見つけやすくなります。
そこで今回は、製造業の仕事内容や仕事の流れ、向いている人の特徴、仕事選びで失敗しないポイントをわかりやすく解説します。
製造業への就職・転職を考えている方や、未経験から挑戦できる仕事を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
製造業の仕事内容
「製造業って工場の仕事でしょ?」とイメージしている方も多いのではないでしょうか。
確かに、そのイメージは間違いではありませんが、製造業には現場作業以外にも、品質管理や設備保全など多くの職種があります。
ここでは、製造業の仕事内容や特徴、工場との違いをわかりやすく解説します。
先に解説する内容をまとめると以下の通り。製造業の大枠をつかむために目を通してみてください。
- 製造業とは何をする業界か
- 工場勤務との違い
- 製造業の仕事内容は大きく3つに分かれる
製造業とは何をする業界か
最初は、製造業は何をするのかという点について解説していきます。
製造業を一言で表すなら「製品を作り、品質を保ち、出荷までつなぐ仕事」です。
総務省の日本標準産業分類における製造業の定義は以下の通り。
- 新たな製品の製造加工を行う事業所であること
- 新たな製品を主として卸売する事業所であること
(参考:総務省「日本標準産業分類 大分類E-製造)
製造業が担うのは、製品を作る工程だけではありません。
材料の調達から、設計・検査・梱包・出荷まで、チームで分担しながら進めます。
業種でいうと、食品・自動車・電子部品・金属・化学製品などがあり、さまざまな製品を作っています。
製造業と工場勤務との違い
製造業と工場勤務の違いは、業界の分類か、働く形態なのかといった部分です。簡単に比較すると以下の通り。
- 製造業:製品を作る業界全体を指す
- 工場勤務:製造業の中でも工場で働く形態のこと
製造業に従事するすべての人が工場で働いているわけではありません。
工場以外に、本社の生産管理・営業・開発設計など、オフィスで働く職種もあります。
製造業と工場勤務が混同されやすいのは、工場で直接手を動かす仕事が製造業のイメージとして強いためです。
製造業の仕事内容は大きく3つに分かれる
製造業の仕事内容は、現場系・設備系・管理系の3つに分かれます。それぞれの仕事内容は以下の通り。
| 分類 | 主な仕事 | 特徴 |
|---|---|---|
| 現場系 | 製造・検査 | 生産ラインで実際に手を動かす仕事 |
| 設備系 | 機械オペレーター・設備保全 | ラインの機械を操作・管理する仕事 |
| 管理系 | 生産管理・生産技術・品質管理 | 計画立案や品質の管理を担う仕事 |
現場系は、実際に部品の組立や加工、検査などを行っており、製造業全体の中でも従業者数が多い仕事です。
設備系は、機械を安全に動かし続けるための点検や修理を行っており、技術系の専門知識を活かせます。
管理系は、製品の企画から生産の計画を立てたり、品質基準を維持・管理したりする仕事。
未経験から入りやすいのは現場系であり、現場経験を積んだ後、設備系や管理系にキャリアアップする方が多い傾向にあります。
製造業の主な仕事内容
「結局、製造業はどんな仕事をしているの?」と疑問を持つ方もいるでしょう。
確かに、製造業は職種・職種によって業務内容が大きく異なるため、誰がどこで何をしているのかわからないかもしれません。
どの職種が自分に合っているか知るためにも、製造業の主な職種ごとに仕事内容や特徴を解説します。
紹介する主な製造業の職種とは以下の通り。それぞれ詳しく解説していきます。
- 製造スタッフ(組立・加工・ライン作業)の仕事内容
- 機械オペレーター・設備保全の仕事内容
- 検査・品質管理の仕事内容
- 生産管理・生産技術の仕事内容
製造スタッフ(組立・加工・ライン作業)の仕事内容
まず1つ目は、製品を直接作る製造スタッフの仕事内容です。
| 項目 | 仕事内容 |
|---|---|
| 業務 | 部品の組立、溶接などの加工、ライン上の流れ作業 |
| 勤務スタイル | シフト制が多い |
| 未経験OKか | マニュアルが整っているので未経験から始めやすい |
| 向いている人 | 手を動かすのが好きな人決められた手順を正確にこなせる人集中して同じ作業に取り組める人 |
製造スタッフの仕事は、扱う製品や業種によって内容が異なります。
例えば、以下のような業務がメインです。
- 部品の組み立て
- 電子基板の装着
- 食品のパッキング
- 金属の板を打ち抜く・曲げる
製造スタッフには、マニュアルに沿って正確に作業を進めることが求められます。
勤務形態はシフト制が多く、働き方を管理しやすいのがメリット。
ただし、立ち仕事や繰り返しの作業が続くため、体力が必要な場面もあるのは注意してください。
機械オペレーター・設備保全の仕事内容
次は、製造ラインで使う機械の操作・管理をする機械オペレーター・設備保全の仕事内容です。
| 項目 | 仕事内容 |
|---|---|
| 業務 | 機械の操作・監視・設備の定期点検・不具合対応・修理 |
| 勤務スタイル | 機械の稼働に合わせて交替勤務・夜勤がある職場も多い |
| 未経験OKか | 機械操作は入社後の技術取得も可能設備保全は経験や知識が求められる |
| 向いている人 | 機械や仕組みに興味がある人トラブル対処を冷静にできる人技術を磨き上げたい人 |
機械オペレーターは、工作機械やプレス機などの産業機械を操作し、製品が正しく作られるよう管理する仕事です。
設備保全は、機械の点検や不具合対応などを行い、ラインを止めないための保守業務が中心となります。
どちらも製造ラインの機械を操作・管理する職種で、安定して稼働させるための重要な役割。
業務を通じて機械・設備に関する専門知識が得られるため、専門職として長く働きたい方は検討してみてください。
検査・品質管理の仕事内容
次は、製品が基準を満たしているか確認し、不良品を出荷しないための検査・品質管理の仕事内容です。
| 項目 | 仕事内容 |
|---|---|
| 業務 | 目視・測定器具による検査データ分析・不良原因調査・品質基準の改善 |
| 勤務スタイル | 検査は立ち仕事が多い品質管理はデスクワークが多め |
| 未経験OKか | 検査スタッフは未経験OKの求人が多い品質管理は経験を求められる |
| 向いている人 | 正確さを重視できる人データや数字を分析するのが好きな人細かいことに気づける人 |
検査スタッフは、製品を目視や測定器具を使って検査する仕事で、未経験からでも始めやすい職種です。
品質管理は検査スタッフよりも広い範囲を担当し、検査結果の分析や不良品の原因調査を行います。
品質基準を策定したり、工程を改善したりするため、品質管理においては現場での経験を求められることが多い傾向。
検査スタッフからステップアップして品質管理を目指す方も多く見られます。
生産管理・生産技術の仕事内容
次は、工場全体を動かす職種である生産管理・生産技術の仕事内容です。
| 項目 | 仕事内容 |
|---|---|
| 業務 | 生産計画・材料調達・人員調整製造ラインの設計・新製品の量産体制の考案 |
| 勤務スタイル | 現場対応とデスクワークが混在 |
| 未経験OKか | 未経験からすぐ就くのは難しい経験を積んだ後に目指す職種 |
| 向いている人 | 全体の調整・段取りができる人数値や計画を管理することに興味がある人 |
生産管理は、製品をいつ・どれだけ作るのかを計画して、材料調達・人員配置・納期管理などを行う仕事です。
生産技術は、製造ラインの設計・改善・量産できる体制を整えるなどの仕事を担います。
より効率的に、高品質な製品を作るための仕組みを考える仕事といえるでしょう。
どちらも製造業でのキャリアを積んだ先の目標とされる、人気が高い職種です。
製造業の仕事の流れ
「製造業の仕事はどこで始まってどんな流れで出荷されるの?」と疑問を持つ方もいるでしょう。
確かに、受注を受けてから納品されるまで、複数の職種が連携しながら進めているので混乱しますよね。
そこで、製造業の仕事の基本的な流れから各職種の担当まで、以下の項目に分けて解説します。
- 受注から出荷までの基本的な流れ
- 上流工程・中流工程・下流工程の違い
- 各職種は流れのどこを担当するのか
受注から出荷までの基本的な流れ
最初に、受注から製造、検査して出荷するまでの基本的な流れを解説します。
| 工程 | 仕事内容 |
|---|---|
| ①受注 | 注文を受けて生産数・スケジュールを決定 |
| ②材料調達 | 製造に必要な原材料・部品の仕入れ |
| ③製造 | 設計図に従って製造・加工 |
| ④検査 | 基準を満たしているか製品を検査 |
| ⑤梱包・出荷 | 梱包して顧客へ出荷 |
製造業の業種によりますが、基本的には上記の流れで進みます。
「準備→製造→確認→出荷」という大まかな順番は、食品でも自動車でも変わりません。
この工程だけ見ても、一つの製品が完成するまでに多くの職種が関わっているとわかります。
上流工程・中流工程・下流工程の違い
次は、製造業でよく使われる上流・中流・下流という工程の区分をまとめます。
| 工程 | 仕事内容 | 主な職種 |
|---|---|---|
| 上流工程 | 製造の計画や準備の段階 | 生産管理・生産技術など |
| 中流工程 | 製品を作る段階 | 製造スタッフ・機械オペレーターなど |
| 下流工程 | 製品を完成・出荷する段階 | 検査スタッフ・品質管理など |
上流は製品の計画の工程が多く、下流になるほど製品の完成に向けた工程となります。
未経験から製造業に入る場合は、中流または下流の工程に入ることが多い傾向です。
各職種は流れのどこを担当するのか
次は、製造業の各職種がどの工程を担当するのか全体像をまとめます。
| 工程 | 大まかな仕事内容 | 工程区分 |
|---|---|---|
| 生産管理 | 生産の計画 | 上流 |
| 生産技術 | ラインの設計 | 上流 |
| 製造スタッフ | 製造や加工 | 中流 |
| 機械オペレーター | 機械の操作 | 中流 |
| 設備保全 | 機械の点検 | 中流 |
| 検査スタッフ | 製品の検査 | 下流 |
| 品質管理 | 品質基準の管理 | 下流 |
| 出荷・物流スタッフ | 梱包と出荷 | 下流 |
各職種を上流・中流・下流にまとめると、製品が作られる流れをイメージしやすくなります。
複数の職種が自分の役割を果たし、上流から下流へ製品を進めていき、やっと完了します。
どの工程に興味があるのか、どんな仕事が自分に合っているのか想像しながら製造業の仕事を選んでみてください。
製造業で働くメリット
「製造業ってきつそうだけどメリットはある?」と感じる人もいるでしょう。
確かに、体力を使う場面もありますが、未経験から安定して働けるメリットもあるので安心してください。
そこでここでは、製造業で働く3つのメリットを解説します。先にすべて紹介してしまうと以下の3つ。
ものづくりに興味がある方、働きやすさにこだわりたい方にもメリットがあるため、ぜひ目を通してください。
- 未経験から始めやすい
- 手当や福利厚生が充実している求人が多い
- ものづくりの達成感を得やすい
メリット①:未経験から始めやすい
1つ目のメリットは、スキルがなくても応募できる職種があるため未経験からでも入りやすい点です。
製造業の現場系の職種は、入社後の研修で仕事を覚えることが多く、入社前に資格やスキルがなくても問題ない場合が多く見られます。
「まずは手を動かしながら覚えたい」という方にとって、製造業はスタートしやすい業界といえるでしょう。
また、製造業では入社後のスキルアップ支援として、資格取得支援やキャリアパスの道のりが整っている点も特徴。
未経験から入り、経験を積みながら設備保全や品質管理へとステップアップすることも可能です。
メリット②:手当や福利厚生が充実している求人が多い
2つ目のメリットは、給与以外の待遇として手当てや福利厚生が充実している点です。製造業の主な手当・福利厚生は以下の通り。
| 手当・福利厚生 | 内容 |
|---|---|
| 夜勤手当 | 深夜・早朝勤務の割増賃金 |
| 皆勤手当 | 無欠勤で支給される手当 |
| 資格取得支援 | 資格の受験費用や教材費を会社が負担 |
| 寮・社宅 | 工場近くの寮や社宅を低価格で利用 |
| 退職金制度 | 中小企業でも退職金がもらえる場合がある |
夜勤・交替勤務がある工場では、割増賃金が発生するため、日勤のみと比べて月収が高くなりやすいです。
「稼ぎたいから製造業に入る」という方は、こうした手当の充実が背景にあるのでしょう。
地方に工場が多くある工場地帯の場合は、寮や社宅が整っていることも多く見られます。
引越し費用や家賃を抑えられるため、製造業での新しい生活をスタートしやすいのも魅力の一つ。
メリット③:ものづくりの達成感を得やすい
3つ目のメリットは「自分が手掛けた製品が世に出る」というものづくりの達成感を得やすい点です。
仕事の成果が目に見えやすく、家庭にある家電や食品、道行く車など、さまざまな製品が身近になります。
例えば、以下のような体験により達成感を得られるでしょう。
- 「自分が組み立てに携わったモデルの車が公道を走っている」
- 「自分がパネルの装着をしたテレビが家電量販店にあった」
- 「自分が梱包に携わった飲料がお店で買われていた」
このような体験は、サービス業やオフィスワークではなかなか得られません。
そして現場だけでなく、ラインを支える設備保全や検査スタッフも同じです。
「ラインが滞りなく動いた」「品質基準をクリアした」といった毎日の手ごたえは、製造業ならではのやりがい。
社会の役に立っている実感や、ラインを円滑に回したという達成感により、製造業は仕事のモチベーションを維持しやすいといえるでしょう。
製造業で働くデメリット
「製造業のメリットはわかったけど、デメリットもあるでしょ?」と思う方もいるでしょう。
確かに、製造業には体力面や勤務形態の面で以下のデメリットを感じる場合があります。
そこで今回は製造業で働くデメリットを3つ紹介します。先にすべて上げてしまうと以下の3つ。それぞれ詳しく解説していきます。
- 立ち仕事や反復作業で体力が必要になる
- 夜勤や交代勤務がある職場も多い
- 機械を扱うため安全意識が欠かせない
デメリット①:立ち仕事や反復作業で体力が必要になる
1つ目のデメリットは、立ち仕事や同じ動作の繰り返しによる体力面の負担です。
現場作業では、以下のような体力の必要な作業があります。
- 立ち仕事:ほとんど立ちぱなっしの作業
- 反復動作:同じ手順を長時間繰り返す作業
- 重量物の取扱い:重い部品などの運搬作業
- 負担のかかる環境:溶接などで高温になる場所、においが気になる場所の作業
工程として必要であればこのような作業が存在し、身体への負担が大きくなるのは事実。
ただし、近年では工場の自動化・省力化が進んでいるため、体力が必要な作業は少ない傾向にある職場が増えています。
休憩時間の確保やストレッチ・体操指導などで身体への配慮を行う企業も存在します。
「体力に自信がない」という方は、求人票で作業内容や重量物の取扱い有無などを事前に確認しましょう。
デメリット②:夜勤や交替勤務がある職場も多い
2つ目のデメリットは、夜勤・交替勤務の職場がある点です。
工場の稼働時間に合わせて、どうしても夜勤や交替勤務が発生してしまいます。
| 勤務形態 | 内容 |
|---|---|
| 二交替制 | 日勤と夜勤を交互に勤務 |
| 三交替制 | 早番・日勤・夜勤の3シフト |
夜勤のある職場では、深夜割増賃金が発生するため、収入面では満足する場合もあります。
しかし、生活リズムが乱れやすく、体調管理が難しいと感じる人もいるためデメリットを感じやすい部分。
夜勤や交替制が難しい場合は、日勤のみ・交替勤務なしの条件で求人を選んでみてください。
デメリット③:機械を扱うため安全意識が欠かせない
3つ目のデメリットは、製造現場の労働災害リスクにより、安全意識が欠かせない部分です。
工場にある機械や設備は、小さなミスで大きな事故につながる可能性があります。
よくある製造現場の事故とは以下の通り。
- 回転体への巻き込まれ・挟まれ
- プレス機などによる挟まれ・圧による損傷
- 搬送機械との接触・激突
- 高所からの転落
- 熱による火傷
厚生労働省の「労働災害発生状況」によると、製造業は労働災害の発生件数が多い業種の一つだとわかります。
「令和6年(1~12月)産業別労働災害死傷者数」
| 業種 | 死傷者数(人) | 構成比(%) |
|---|---|---|
| 製造業 | 26,676 | 19.7 |
| 鉱業 | 192 | 0.1 |
| 建設業 | 13,849 | 10.2 |
| 交通運輸事業 | 3,089 | 2.3 |
| 陸上貨物運送事業 | 16,292 | 12.0 |
| 港湾運送業 | 345 | 0.3 |
| 林業 | 1,167 | 0.9 |
| 農業、畜産・水産業 | 3,192 | 2.4 |
| 第三次産業 | 70,916 | 52.3 |
(参考:厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課「令和6年における労働災害発生状況(確定)」)
ただし、多くの製造現場では、以下のような安全ルールを徹底して事故を防ぐ取り組みをしています。
- KY活動(危険予知活動)
- 安全教育
- 保護具・防具の着用義務
ルールを守って作業を行う意識をもてば、過度に恐れる必要はありません。
入社を希望する企業の事故発生率や保護具の支給状況を確認できるとさらに安心です。
製造業に向いている人の特徴
「結局、自分は製造業に向いているの?」と感じている方も多いかもしれません。
確かに、不向きの場合は、業種・職種の選択からやり直す必要があり、遠回りですよね。
そこで今回は製造業に向いている人の特徴について解説していきます。先に挙げると以下の通り。それぞれ詳しく解説していきます。
- コツコツ作業を続けられる人
- ルールや手順を守れる人
- 集中力を保って働ける人
特徴①:コツコツ作業を続けられる人
1つ目の製造業に向いている人の特徴は、同じ工程を繰り返し、コツコツ作業を続けられる人です。
とくに製造業の現場作業は、決まった作業をもくもくと続ける必要がある場合が多いためです。
具体的には以下のような特徴の方におすすめ。
- 反復作業が苦にならない
- 地道な作業が好き
- 丁寧さ・正確さを意識できる
一つひとつの工程を正確に積み重ね、品質にもこだわりながら作業できる人は、自分の力を思う存分に発揮できるでしょう。
特徴②:ルールや手順を守れる人
2つ目の製造業に向いている人の特徴は、職場のルールや作業の手順を守れる人です。
製造業の現場では、安全・品質・効率を維持するために、手順書や品質基準などが細かく決まっています。
そのためこれらを正確に守り、安全な職場の環境と、製品の質を維持することが重要です。
特に、食品・医薬品・自動車部品など、品質基準が厳格な業種では、ルール遵守への意識が強く求められまるため、ルールを守れる人が非常に重宝されます。
特徴③:集中力を保って働ける人
3つ目の製造業に向いている人の特徴は、集中力を保って働ける人です。
製造現場では、ラインの流れに合わせたペースで作業を続けないといけません。
注意力が散漫していると、不良品の発生や労働災害につながる可能性も出てきます。
特に、以下の職種では集中力が求められます。
- 検査スタッフ:不良品を見逃さないため
- 製造スタッフ:正確な作業が必要なため
- 機械オペレーター:異常や数値の変化を見逃さないため
一つの作業に集中して取り組むことが得意であれば、製造現場の環境に馴染みやすいでしょう。
製造業の仕事選びで失敗しないポイント
「製造業に向いている気がするけど、仕事選びで失敗しそう…」と不安を感じる方もいるかもしれません。
確かに、製造業といっても幅広い業種・職種があるので選び方がわからないですよね。
そこで、製造業の仕事選びで失敗しないための以下のポイントを解説します。先にすべて上げてしまうと以下の3つ。それぞれ詳しく解説していきます。
- 業種ごとに仕事内容がどう違うかを確認する
- 求人票では「工程」「勤務形態」「扱う機械」を見る
- 未経験者が選びやすい職種を知っておく
ポイント①:業種ごとに仕事内容がどう違うかを確認する
仕事選びで失敗しない1つ目のポイントは、業種ごとに仕事内容の違いを理解することです。
製造業は業種ごとに扱う製品が異なり、現場の環境や作業内容、求められるスキルまで異なります。
| 業種 | 仕事内容 |
|---|---|
| 食品 | 食材の加工、パッキングなど |
| 自動車・部品 | 車体・部品の組立、溶接など |
| 電子部品・半導体 | 基板の実装、精密部品の組立など |
| 金属・機械加工 | 切削、研磨、プレス、溶接など |
| 化学・樹脂 | 原料の配合など |
| 医薬品・医療機器 | 医薬品の製造、品質検査など |
このように実際の作業は多岐にわたるため「工場の仕事」と一括りにはできません。
どの業種の製品を作るのか確認することが、自分に合った仕事を選ぶポイントです。
興味のある製品や業界から絞り込んで、仕事をしている自分をイメージしてみてください。
ポイント②:求人票では「工程」「勤務形態」「扱う機械」を見る
仕事選びで失敗しない2つ目のポイントは、求人票で工程・勤務形態・扱う機械を見ることです。
確認すべき内容を以下にまとめます。
| 確認部分 | チェックのポイント |
|---|---|
| 工程 | 組立・検査・操作など、どの工程を担当するのか |
| 勤務形態 | 日勤のみ・二交替・三交替などのシフトは働きやすいか |
| 扱う機械 | プレス機・フォークリフトなどの資格が必要な機械を扱うのか |
同じ「製造スタッフ募集」という求人でも、業種や職種によってこれら3つの内容は大きく異なります。
例えば、以下のような勘違いが生まれる可能性もあります。
- 「製造全般」と記載があったが体力仕事だった
- 体力仕事だと思ったら精密部品の目視検査だった
- 月収につられて入社したらや夜勤が週3回もあった
- フォークリフトや玉掛けの資格取得が自己負担だった
入社後に「思っていた仕事と違った」と後悔しないために、自分が担当する仕事や勤務形態を確認しておきましょう。
ポイント③:未経験者が選びやすい職種を知っておく
仕事選びで失敗しない3つ目のポイントは、未経験でも入りやすい職種を知っておくことです。
製造業には経験・資格が求められる職種もありますが、未経験から始めやすい職種も多くあります。
未経験が選びやすい製造業の具体的な職種は以下の通り。
| 職種 | 未経験者が選びやすい理由 |
|---|---|
| 職種 | 未経験者が選びやすい理由 |
| 組み立て・ライン作業 | マニュアルに沿った作業で、入社後の研修で覚えられる |
| 食品加工・パッキング | 食材のカットや袋詰めなど比較的簡単な作業 |
| 検査 | 不良品がないか確認する作業で、未経験でも細かい作業が得意ならOK |
| 仕分け・梱包・パッキング | 製品をサイズごとに仕分けして梱包する作業で、資格や知識が不要 |
| シール・ラベル貼り | 製品にシールを貼ったり説明書を封入したりする軽作業 |
このように、未経験からのスタートを考えている方は、製造スタッフ・検査スタッフなどの現場系職種から検討してみてください。
逆に、以下の職種は未経験からすぐに目指すのは難しいです。
- 設備保全:電気や機械の専門知識が必要
- 生産管理・品質管理:実務経験を前提とする求人がほとんど
これらの職種は、現場経験を積んだ後にキャリアアップするルートがあります。
未経験者の方は、未経験歓迎の求人から製造業へ入ることを検討しましょう。
製造業の仕事内容でよくある質問
製造業に関してよくある質問をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
製造業は未経験でも本当に働ける?
製造業は未経験から働ける職種が多い業界です。
特に以下の職種が未経験に向いています。
- 製造スタッフ
- ライン作業
- 検査スタッフ
これらの現場系職種は、マニュアルやOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング )を通じて業務を覚えられます。
入社時点で専門スキルや資格がなくても応募できる求人が多数あり、未経験でも問題ありません。
求人票では、入社後の研修内容や先輩社員によるサポートの有無まで確認しておくと安心です。
女性でも働きやすい職種はある?
近年の製造業は、女性が働きやすい環境が整っており、女性でも活躍できる職種が多く見られます。
特に以下の職種は、女性の就業比率が高い傾向にあります。
| 職種 | 女性が働きやすい理由 |
|---|---|
| 検査スタッフ | 細かい作業や丁寧さが求められ、女性が活躍しやすい |
| 食品製造 | パッキングなどで力仕事が少なく、女性に親しみのある製品も多い |
| 電子部品・半導体 | 精密な手作業が多く、細かい作業が得意な女性に向いている |
| 化粧品・医薬品製造 | 女性に身近で憧れもある職種で、作業の正確さも活かせる |
このように、女性に身近な製品を選んだり、細かい作業が好きな女性向けの職種を選んだりすることで活躍できます。
また、厚生労働省の推進する「女性活躍推進法」に基づき、製造業でも以下の環境整備をする企業が増えました。
- 産休・育休制度
- 時短勤務
- 女性専用の更衣室
- 女性専用の休憩室
実際に、製造業における「通常の労働者に占める女性労働者の割合の平均値」は以下の通り。
| 産業分類 | 女性労働者の割合の平均値 |
|---|---|
| 鉱業、採石業、砂利採取業 | 14.2% |
| 建設業 | 14.1% |
| 製造業 | 22.4% |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 12.0% |
| 情報通信業 | 24.9% |
| 運輸業、郵便業 | 12.2% |
| 卸売業、小売業 | 32.3% |
| 金融業、保険業 | 48.8% |
| 不動産業、物品賃貸業 | 33.0% |
| 学術研究、専門・技術サービス | 24.2% |
| 宿泊業、飲食サービス業 | 39.3% |
| 生活関連サービス業、娯楽業 | 43.8% |
| 教育、学習支援業 | 38.0% |
| 医療、福祉 | 66.4% |
| 複合サービス業 | 22.7% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 25.9% |
(参考:厚生労働省「雇用の分野における女性活躍推進等に関する参考資料 」※令和6年5月31日 )
製造業は22.4%であり、その他の業種と比較して高くはありませんが、低い数値でもありません。
女性の就業数が一定数あることがわかります。
「製造業は男性のイメージ」と最初から応募を諦めずに、女性に向いている職種を選んで製造業をスタートしてみてください。
ずっと同じ作業だけをする仕事なの?
製造現場では繰り返し作業が多い職種もありますが、ずっと同じ作業だけをし続けるとは限りません。
多くの現場では、以下のような変化やキャリアアップの機会もあります。
- 複数の工程をローテーションする
- リーダーや班長に昇進する
- 製造スタッフから検査・品質チェックへ職種変更する
同じ作業を続ける場合もありますが、キャリアアップを見越して複数の工程を任されたり、別の職種へ変更できたりする可能性も。
製造業はキャリアを積み上げやすい業界でもあります。
スタート時の職種がゴールではなく、そこからどう広げていくかを意識してみてください。
製造業の雇用形態にはどんな種類がある?
製造業の雇用形態は、大きく以下4つにわかれます。
- 正社員:雇用が安定
- 契約社員:一定期間の雇用契約
- 派遣社員:派遣会社を通じて配属
- パート・アルバイト:短時間勤務のため扶養範囲内OK
未経験からスタートする場合は、派遣や契約社員として入社し、実績を積んだ後に正社員登用を目指すことも可能です。
求人票で「正社員登用あり」の記載を確認しておくと、将来の雇用安定につながりやすくなります。
製造業の年収は何で差がつく?
製造業の年収は、以下の複数の要因によって差がつきます。
| 要因 | 差がつく理由 |
|---|---|
| 雇用形態 | 正社員は賞与や退職金があり、パート・アルバイトに比べて年収が高くなりやすい |
| 勤務形態 | 夜勤・交替勤務があると割増賃金により年収が高くなりやすい |
| 業種 | 自動車・半導体など成長していて利益率の高い業種は給与が高い傾向がある |
| 資格 | フォークリフト・玉掛け・電気工事士などの専門資格は手当につながりやすい |
| 職種 | 生産管理・生産技術・設備保全などの専門性の高い職種は年収が高くなりやすい |
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、製造業の平均年収は約330万円となっています。
(参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」「 第5-1表 産業、年齢階級別賃金及び対前年増減率」)
年収に差がつく夜勤手当や資格手当、職種による違いを加えると、実際の手取りがさらに高くなる人は多く存在するでしょう。
製造業の将来性はある?
製造業は今後、求められる職種・スキルが変化していき新たな将来性に期待されています。
製造業の将来性を考えるうえで押さえておくべきポイントは以下の通り。
- 設備保全や生産技術の需要は高まっている
- 経済産業省が半導体工場の誘致を推進しており製造業でも成長が見込まれる
- 技術承継のため未経験者の採用に積極的な企業が増えている
確かに、自動化やAI導入による単純作業の減少が進んでいますが、その一方で新たな需要が増えつつあります。
AIに任せられる仕事は任せて、人間にしかできない仕事を続けていけば、製造業で将来的に長く働けるでしょう。
まとめ
本記事では、製造業の仕事内容や流れ、職種ごとの特徴、仕事選びのポイントまで徹底解説しました。
要点をまとめると以下の通り。
- 製造業は現場系・設備系・管理系の3つに大きくわかれる
- 「計画→製造→検査→出荷」の流れで仕事が進む
- 未経験から始めやすいものの、体力面や交替勤務の職場もある
- コツコツ作業が得意・ルールを守れる・集中力が続く人に向いている
- 求人は「工程・勤務形態・扱う機械」の3点を確認する
製造業は、製造スタッフ・機械オペレーター・品質管理・生産管理などのさまざまな職種が連携して製品を作ります。
未経験から始めやすい職種も多く、経験を積みながらキャリアアップできる環境が整っている点が魅力的。
仕事選びで失敗しないためには、業種ごとの仕事内容を把握したうえで、求人票の工程・勤務形態・扱う機械を確認しましょう。
まずは興味のある職種・業種に絞り込んで、自分に合うかどうかイメージしてみてください。

